厄除け・魔除けの塩|置き場所・塩の種類・厄年の使い方を専門店が解説
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年が明けて厄年に当たっていることに気づいたとき、多くの人がまず思い浮かべるのが塩です。神社に行く時間が取れなくても、塩なら今日から家で始められます。ただ、いざ用意しようとすると「どの塩を買えばいいのか」「どこに置くのか」「いつ替えるのか」で手が止まります。この記事では、厄除け・魔除けに塩を使うときの実際のところを、塩の種類・置き場所・交換の目安まで順に整理します。
厄除けと魔除けは、何が違うのか
同じように使われる言葉ですが、もともと指すものは少し違います。
厄除けは、厄年をはじめとした自分に降りかかる災厄を避けるための祈願です。神社やお寺で祈祷を受ける、という形が本来の姿にあたります。一方の魔除けは、外から入ってくる災いを寄せつけないための備えで、玄関に飾る柊鰯(ひいらぎいわし)や鬼門に置くものなど、場所に対して施すものが中心です。
祈願(厄除け)は神社で、備え(魔除け)は家で。この切り分けを頭に置いておくと、塩の使いどころが整理しやすくなります。塩はどちらの文脈にも古くから登場するもので、「厄除けの塩」と呼んでも「魔除けの塩」と呼んでも、やっていること自体は変わりません。
なぜ塩が使われてきたのか
海水で身を清める禊(みそぎ)の代わりとして塩が用いられるようになった、という説明が広く知られています。加えて、冷蔵設備のなかった時代に食べものを腐らせず保てる数少ない手段だったことも大きく、「ものを傷ませない」という目に見える働きが「よくないものを寄せつけない」という考え方に重なっていったと考えられています。大相撲の土俵の塩、葬儀後の清め塩、料理店の入り口の盛り塩は、いずれもその名残です。
厄除け・魔除けに使う塩の選び方

「これでなければならない」という決まりはありません。何をしたいかで選ぶ塩が変わる、というのが実際のところです。
山型に盛るなら粗塩
玄関や部屋の隅に円錐形の盛り塩を作るなら、**粗塩(天然の海塩)**が向いています。精製塩に比べて粒が水分を含んでいるため、山型に固まりやすいからです。スーパーの塩売り場で「天日塩」「海塩」「あら塩」と書かれたものであれば、たいてい問題なく使えます。特別な塩を買う必要はありません。
さらさらした精製塩・食卓塩を使ってはいけないという決まりもありませんが、山型に固まりにくいので実用面では粗塩に軍配が上がります。
置きっぱなしにするなら岩塩
盛り塩は本来こまめに取り替えるものですが、現実には続かないという声も多く聞きます。そこで選択肢になるのが岩塩です。塊のまま流通しているものが多く、溶けにくく型崩れしないため、湿気の多い場所に置いても崩れず、お手入れはほこりを払う程度で済みます。
当店で扱っているのは、ペルー・アンデス山脈の塩田で採れるマナス岩塩です。桃色がかった半透明の結晶で、こぶし大の原石をそのままガラスボトルに詰めています。小皿に取り出して盛り塩のように置くこともできますし、湿気を吸ったら天日に干せば繰り返し使えます。「毎日替えるのは無理だが、何か置いておきたい」という場合には、こちらのほうが続きます。
塩の種類ごとの違いは盛り塩に使う塩の種類とおすすめに詳しくまとめてあります。
どこに置くか
玄関
もっとも一般的な置き場所です。外と中の境目にあたるため、魔除けの考え方と相性がよいとされてきました。ドアの内側の左右に一対で置く形が知られていますが、一つだけでも構いません。通行の邪魔になる位置や、ドアの開閉で風が直接当たる位置は避けてください。
鬼門・裏鬼門
家相では北東を鬼門、南西を裏鬼門と呼び、この方角を整えることが重んじられてきました。方角にこだわりすぎる必要はありませんが、「どこに置くか迷う」ときの基準としては使いやすい考え方です。
水回り
トイレ・洗面所・キッチンなど、湿気がこもりやすい場所も昔から塩を置く場所とされてきました。ただし湿気の多い場所では塩が溶けて崩れやすく、交換の頻度が上がります。崩れにくい岩塩を選ぶか、こまめに替える前提で粗塩を使うかを決めておくと無理がありません。トイレに置く場合の段取りはトイレの盛り塩にまとめました。
家の外でも身近に置いておきたい場合は、職場のデスクという選択肢もあります。小皿を置きにくい環境であれば、後述する持ち塩の形にするほうが現実的です。
器は何を使うか
白い小皿が定番ですが、決まりがあるわけではありません。避けたいのは、粗塩を金属の器に直接盛ることです。塩は金属を腐食させるため、真鍮や銅の器に湿った塩を直接のせると短期間で変色し、表面が荒れてきます。
粒の粗塩と、乾いた岩塩の塊とでは、器に求められる条件が変わります。塊の岩塩は湿って溶け出すことがないため、当店ではマナス岩塩と真鍮豆皿のセットをその組み合わせで作っています。それでも金属の変色が気になる場合は、器の内側にガラスや陶器の小皿を重ねてください。
器の素材ごとの向き不向きは盛り塩の器・受け皿の選び方で詳しく扱っています。
厄年に塩をどう使うか
厄年の年齢
厄年は数え年(生まれた年を1歳とし、元日ごとに一つ加える)で数えます。一般的に言われている年齢は、男性が25歳・42歳・61歳、女性が19歳・33歳・37歳です。
このうち男性42歳・女性33歳は大厄と呼ばれ、「42=死に」「33=散々」という語呂合わせが理由として語られることが多いようです。それぞれの前後の年を前厄・後厄と呼び、本厄と合わせて3年を区切りとします。ただし対象年齢は神社・地域によって差があるので、祈祷を受けるなら参拝先の案内を確認してください。
厄払いは年明けから節分までが目安
厄払い・厄除けの祈祷は、元日から節分(2月3日ごろ)までに受けるとされることが多いです。数え年が切り替わるのが元日で、旧暦の年の変わり目が立春にあたるためです。年明けに神社が混み合うのはこのためですが、この時期を逃しても受けられないわけではありません。家に塩を置くほうは時期を問わないので、祈祷の予定が立たないうちは先に塩から始めておく、という順番でも構いません。
持ち塩として身につける
家に置くだけでなく、塩を小さく包んで持ち歩く持ち塩という習慣もあります。厄年のあいだ身につけておきたい、という場合はこちらが向いています。小さな和紙や布に少量の塩を包み、財布やポーチに入れておくだけで、専用の袋も市販されています。作り方と交換の目安は清め塩の持ち歩き(持ち塩)のやり方にまとめてあります。
交換のタイミング
盛り塩の交換は、毎月1日と15日という区切りが広く行われています。神社にお参りする日とされてきた日で、家の塩を改める日としても定着しています。厳密に守る必要はなく、湿気を吸って崩れたり皿に張り付いたりしたら、あるいは変色やほこりが目についたら替える、という目安で十分です。
下げた塩は、玄関の外や庭の土にまく、白い紙に包んで自治体のルールに従って処分する、といった扱い方があります。排水口にそのまま流すのは避けてください(配管を傷める原因になります)。長く置いてほこりをかぶったものを無理に使う必要はなく、感謝して処分して構わないとされています。
塩以外の厄除け・魔除けの道具

塩だけに絞る必要はありません。厄除け・魔除けの文脈で使われてきたものは、大きく燻すものと置くものに分かれます。
燻すものは、火をつけて煙を出すホワイトセージやパロサントです。パロサントはスペイン語で「聖なる木」を意味する香木で、ラテンアメリカの先住民のあいだで魔除けとして使われてきました。塩が「置いて備える」道具なのに対し、こちらはそのときどきに焚いて空気を切り替える道具で、引っ越しや年越しのような区切りと相性がよく、塩と併用している人も多くいます。焚き方はスマッジングのやり方・焚き方ガイドをご覧ください。
置くものの代表は鉱石です。**パイライト(黄鉄鉱)**は、金属光沢のある結晶が盾のように見えることから、古くから守護や魔除けの象徴とされてきました。当店のペルー産パイライトは手のひらに収まるサイズなので、デスクや玄関でも場所を取りません。石の扱い方はパワーストーン・水晶の浄化方法ガイドにまとめています。
一式まとめたいなら、マナス岩塩・ホワイトセージ・パロサント・パイライトを組み合わせた浄化セットもあります。どの道具を選ぶかの考え方そのものは浄化グッズの選び方に整理してあるので、迷う場合はそちらへどうぞ。
よくある質問
盛り塩はいくつ置けばいいですか
玄関に一つ、あるいは左右一対から始めるのが一般的です。家じゅうに置く必要はなく、取り替えを続けられる数にとどめるほうが現実的です。
岩塩と粗塩、どちらを買えばいいですか
こまめに取り替えて山型に盛りたいなら粗塩、置きっぱなしで手間をかけたくないなら岩塩です。粗塩はスーパーで「天日塩」「海塩」「あら塩」と書かれたもので十分で、特別な塩を買う必要はありません。
塩を置いたのに何も変わりません
塩を置くことは、日本で長く続いてきた習慣であって、何かを保証するものではありません。気持ちの区切りをつけるための所作として受け取っていただくのがよいかと思います。祈願として形にしたい場合は、神社やお寺で厄除けの祈祷を受けるのが本来の形です。
使い終わった塩は捨てていいですか
玄関の外や庭の土にまく、白い紙に包んで自治体のルールに従って捨てる、といった扱い方があります。排水口にそのまま流すのは配管を傷めるので避けてください。粗塩で作った盛り塩は、場の不浄を引き受けたものと考えて再利用しないのが一般的です(塊のまま置く岩塩は、ほこりを払い天日に干して使い続けられます)。
まとめ
要点は三つです。
- 山型に盛るなら粗塩、置きっぱなしにするなら岩塩。用途で選ぶ
- 玄関・鬼門・水回りが置き場所の基本。粗塩を金属の器に直接盛ることだけは避ける
- 交換は1日と15日が目安。崩れたり変色したら、その時点で替える
厄年に当たる年は年明けから節分までに神社で祈祷を受けるのが一般的な形ですが、家でできることを先に始めておいても構いません。道具を揃えるなら浄化グッズのコレクションもあわせてご覧ください。